2022/04/12
【静岡】「水を通して保水する駐車場なのにどうして土間コンよりも安くなるの?」
静岡県伊豆の国市。見学会を兼ねて施工された戸建住宅駐車場整備工事。施工はプロではなくDIY(生コン工場職員ら)の手によるもの。DIYでなくとも、仮にプロ施工者に頼んでも、オワコン(造粒ポーラスコンクリート)が安くなる理由について。
掘削・残土処分・路盤・メッシュ配筋・仕上げ 工程の最適化
静岡県伊豆の国市では見学会を兼ねてオワコンの生コン工場職員らによるDIY施工が行われた。
左手、生コン車はなんと以前施工されたオワコンの上に乗り入れている。
実はオワコン。
車両が仮に施工翌日乗り入れたとしても割れない、凹まないことは実証されている。
(実証されているだけであって、翌日に乗り入れることを推奨しているわけではない)
そんな高機能であり、且つ、水を通し保水するオワコン。
なのに、従来の土間コンクリートによる駐車場よりも工事費用が安くなる。
今回の見学会ではその点をじっくり解説することになった。
掘削を200mmから150mmに。残土量も軽減
(引用:https://timberyard.net/cozylife/arrange/soil-concrete/)
通常土間コンクリートは砕石層(路盤)100mmとコンクリート層100mmの合計で200mm厚が必要とされている。
そのため、仕上がり高さを現地盤の高さにするためには、200mmの厚さで掘削(すきとり)を行う必要がある。
そのため、200mm × 面積分の建設発生土(残土)が発生する。
掘削も、残土処分もそれぞれ当然お金がかかる。
その200mmがオワコンの場合150mmとなっている。
50mm分の残土を抑制することができる。
掘削もそれだけ少なくすることができる。
つまり、その分安くなる。
路盤を省略。オワコン150mmで路盤も兼ねる
通常、コンクリートの下には路盤工(100mm)を行うが、その100mmを50mmのオワコンで置き換える。
そもそも路盤よりも、セメントが効いているオワコンの方が俄然支持力が大きい。
50mmで十分砕石路盤100mmの役割を果たす。
オワコンの二層施工150mmで、路盤工とコンクリート層工事を兼ねる。
わざわざ路盤材料をダンプ手配して買ってくる必要ない。
1台の生コン車で砕石層もコンクリート層も兼ねることができちゃう。
時短もできる。
しかも、オワコンなら土間コンにおけるコンクリート層を施工するときのように左官のような特殊作業員を外部から招聘する必要もない。
自前の作業員で全部できちゃう。
コンクリート層(オワコン)も当日に仕上げちゃえ
一般に土間コンクリートの施工は2日間あるいは2.5日に渡る。
まず、上述のように掘削・残土処分・路盤工に加えてワイヤーメッシュ配筋が行われる。
生コン打設(土間コン施工)はどうしても1日がかりとなってしまうため、作業はそこまで。
翌日、朝一番から土間コンを施工して夕方、あるいは残業してまで仕上げて完成。
それが、土間コン。
一方のオワコンは極論「撒いて(敷設して)、踏む(締め固める)だけ」で終わり。
ブリーディング(余剰水)が浮いてこないから乾き待ちが発生しない。
金鏝やはけ引きなどの仕上げ工程がない。
だから、全工程が1日の中で終わっちゃう。
ワイヤーメッシュ配筋もいらない。
多くの見学者が見守る中、たった20分でこちらの施工デモンストレーションは完了してしまった。
直後から人乗れるし。
翌日に車が乗っても大丈夫みたいだし。
なのに、上述の通り、土間コンよりも安い。
真っ平ら。
水がたまらない。
「あれ? なんで土間コンを検討(施工者なら提案)してんだろ?」
この問いに、誰も答えられない。
答えられる人がいたら紹介してください。
全国一律「えいや!」で全部込み込み9,800円/m2キャンペーン実施中
論より証拠。
上述のことをくだくだと説明しても、なかなか理解するのが難しい。
これまでの生コンポータル長年の情報発信の経験からそれがわかる。
それなら自分でやっちゃおう。
見せつけちゃおう。
そんな感じで、このキャンペーンを全国一律で展開中。
あるいは、「提示されている土間コンのお見積りをご提示ください。そこから500円引きで請け負います」でもいいかもしれない。
やってみようかな。
ちょっと怖いな。
でも、「抽選」とかなら、リスク回避できるかな。
全国津々浦々、全部生コンポータル請け負ったら倒産するかもしれないし笑。
とにかく、今や土間コンを施工する理由が施工者にも消費者にもないのである。
それを理解してもらうべく引き続き情報発信に努めたい。
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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