2022/04/27
【徳島】「副産物 《こめぬか》 と 《残コン》 が出会うことで生まれる新しい循環」松尾建材・安藤ハザマ
米糠(こめぬか)でも造粒ポーラスコンクリート(オワコン)作れちゃいました。というわけで、イノベーションは全く想像できなかった人と人とを結びつける。農業と舗装。徳島県の生コン屋さん松尾建材と安藤ハザマの実験レポート。
製造:松尾建材(担当:胡蝶しのぶ)、施工:安藤ハザマ(担当:白岩誠史)
米糠と生コン
できました、オワコン(造粒ポーラスコンクリート)。
なんと、原材料は通常のY弾(re-con ZERO EVO)ではなく、米糠。
(引用:https://06ricebranoil.com/chemistry/)
米糠の吸水作用で生コンが造粒化され造粒ポーラスコンクリートが完成した。
造粒ポーラスコンクリートとは?
生コンクリートに高分子など吸水作用のある材料を投入・撹拌することで造粒化され家周りなどに舗設されたものがオワコン。
水を通すから、水勾配や排水設備が不要となる。
コンクリだから、雑草が生えてこない。
ぬかるまず、水もたまらない。
猫の糞害や害虫なども対策できる。
これから始まる副産物(残コン、米糠)マッチングビジネス
生コンは受注の際、数量に余裕を持って注文され現場に納品される。その1割ほどは余剰分となり利用されず持ち戻され残コンとなる。現在その残コンの大半は施工主ではなく生コンの製造元である生コンクリート製造業者が処理を請け負い、経済的負担となっている。さらにはリサイクルされず生コンスラッジとして廃棄されるために地球環境を汚染し続けている。[1]
(Wikipediaより)
⚫︎参考: フードロスより深刻?捨てられる「生コン」はこうして使え
造粒ポーラスコンクリートは生コンクリートに造粒材を投入して作られる。
つまり、それは、新品の生コンでなくとも、現場で余ったものでも全然いけるってこと。
これまで残コンは「厄介者」として生コン・圧送・ゼネコン(工務店)間でババ抜きのババとして互いに押し付け合ってきた。
それが、今度は原材料になる。
偶発的に発生するそんな残コンをシェアリングエコノミーでつなげることができさえすれば地球環境を害してきた残コンがそのまま「大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」に様変わりする。
⚫︎参考: 「残コンで買い物?!余らせない、再利用できた。それだけで担当者にポイントがついて買い物ができるシステム構築」
つまり、副産物「残コン」と副産物「米糠」がマッチングされることで、付加価値製品が誕生しちゃうってわけ。
造粒ポーラスコンクリートって駐車場とかにも使えるんだお
そんな造粒ポーラスコンクリートは何も雑草・ぬかるみ・水たまり・猫の糞害・害虫を対策するだけってわけじゃない。
なんと、このところ「既往の生コンよりも安い価格で」家周りの舗装に活用されるようになっている。
ゴイスーなのである。
副産物と副産物でできたものがなんと駐車場の舗装に。
しかも、大手道路会社大成ロテックや今回実験に立ち会っている安藤ハザマらにより「高速道路にもいけんじゃね」ということで実験・共同が始まろうとしている。
循環する。
循環していく。
コンクリートはただただ大地を削って、汚して、蓋して、循環を妨げるってわけじゃない。
永遠にループする。
今、コンクリートの最先端ではそんな研究・実装が進んでいる。
昨年生まれたばかりの造粒ポーラスコンクリートという分野はその権化として日々着実に実装を重ねている。
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
コンクリートをもっと身近に「生コンビニ」はこちら