昨日（2022/05/24）関係者らととある生コン工場で楽しくディスカッション＆実験を行なっていた。すごい。二酸化炭素でパンパンに充満させたビニル袋の中に造粒ポーラスコンクリートを入れてシャカシャカするとみるみる萎んでいく！（コンクリートがまさにCO2を固定化している実演） ちょっと衝撃ついでのアイデアお披露目。電気・鉄・コンクリートと農業のアウトプット。

目で見るコンクリートのCO2固定化

こちら、二酸化炭素の供給器。

炭酸水作るやつだそうだ。

CO2でパンパンにしたジップロックの中に造粒ポーラスコンクリート（オワコン）を入れてシャカシャカする。

すごくね？

コンクリートに携わって長年たつがあらためて驚かせていただいた。

米ぬか・高炉スラグ微粉末（FA）・スラッジで作るマルチング

⚫︎参考記事1： 【徳島】「副産物 《こめぬか》 と 《残コン》 が出会うことで生まれる新しい循環」松尾建材・安藤ハザマ

⚫︎参考記事2： 「ガーデニングや園芸に使われる《マルチング》に最適な素材はオワコン（造粒ポーラスコンクリート）です」

遊星ミキサー。

生コンスラッジ。

米ぬか。

高炉スラグ微粉末（JFEミネラルのHPより引用）

フライアッシュ（Wikipediaより引用）

搾りたてのスラッジケーキを遊星ミキサーで撹拌すると液状になるという。

そこに高炉スラグ微粉末やフライアッシュなどSCM（Supplimentary Cementious Material）を投入する。

その後米糠を投入すると、スラッジケーキは粒状化する。

それをそのまま現地でマルチングの材料として適用する。

植栽の根系は守られ（マルチングの効果）、冒頭で示されているように樹木同様造粒ポーラスコンクリートはCO2を吸収・固定する。

登場人物は、製鉄・発電・コンクリート・農業。

これまでなかったつながりが生み出す環境保全

造粒ポーラス構造のマルチングはきちんと水を透す構造だから雨水はきちんと樹木の根系に届けられる。

新鮮な酸素も、二酸化炭素も。

（新鮮って言葉がふさわしいかどうかはどうでもいい）

セメント成分に高炉スラグとかフライアッシュをふんだんに配合すれば塩基度は下がる。

我が国では一般に植相は酸性土壌を好むとされているため、高すぎる塩基度はご法度。

であるからして、なるべく早く中性化するこのマルチングはおあつらえむき。

さらに、灌水に用いる水を炭酸ナノバブル水にしたらどうか。

炭酸化の過程で塩基度は下がり中性となる。

そもそもがマルチングにはコンクリートほどの強度は要求されないため、硬化を阻害したとしても大きい問題にはならない。

その後の水やりも一定期間炭酸ナノバブル水にすることでc-s-hまで炭酸化することに成功したらコンクリートの潜在CO2固定能力を100%発揮することができるのではないか。

（そして、知らないけどもしかしたら根系に炭酸ナノバブル水っていい影響をもたらすかもしれない？）

建設・コンクリート産業（鉄・電気）の副産物が自ら生み出したCO2を収納することで緑（植栽）を助ける。

あれ？

こんなに綺麗すぎるストーリーってある？

GI基金採択前のゴタゴタで懲りているので研究には関与しないように決めている。

僕たち生コン工場の役割は「練って運ぶ」こと。

だから、社会実装、形にする、ってところで貢献していきたいと思う。

ありがたいことに僕はコンクリートを土台としながらも、舗装や造園、建築、土木に関するあらゆる学習を経験してきた。

昨年突然降って沸いたように生まれた造粒ポーラスコンクリートという製品。

いろんな脈が様々に交わり、またしても新しい太い脈に統合されようとしているようだ。

マルチング。

そこに、コンクリートが適用されるなんて、これまで誰が想像したことだろう。

頑張らないで、これからも流転していきたいと思う。

いろんな人や知識と出会うことで自然に生み出されるものがイノベーションだと信じている。

宮本充也