2022/07/10
「生コン車で製造された生コンクリートで大臣認定を取得する」
「やってみる」「できちゃった」そんな経験はオクドこと大阪奥村組土木興業らの実験で明らかになった。でも、これ、やっぱりJIS品ではない。それなら次の手、「大臣認定って取れるんだろうか」。こちらも、とりあえず、やってみよう。
生コン車でちゃんとした生コンは製造できる
⚫︎参考記事: 【実証】「生コン車でゼロセメントコンクリート・granZ concreteは作れました」奥村組土木工業
前中後と強度のばらつきもほぼ無く、シールコンクリートを施工した箇所も変状ありません。(オクド藤森さん)
ね。
できちゃったね。
これまでできないとされていたことが「やってみる」というソリューションで解決しちゃった。
誰もがやったことのないことをやってみただけで「できる」になっちゃった。
こうした経験ってなかなかないよね。
でも、こうした方法で作られた生コンクリートはすぐに採用されるかっていうとそれはまた別の話。
JASS5もコンクリート標準示方書も前提としてJIS A 5308に規定された生コンを使うよう要求している。
JISマークを打つことのできない生コンは実装を見ることはない。
では、JISマーク取れるようにしようよ、ってなると今度は5年とか10年とか成果が生まれるかどうかもわからない険しい道のりが始まる。
ムリー。
で、大体こういう時に次の手となるのが、「大臣認定の取得」となる。
とれる? 大臣認定
(引用:https://www.accreditation.jp/council/pdf/jlac2017_1.pdf)
日本工業規格(JIS A 5308)は仕様規定。
一方、大臣認定は性能規定となっている。
仕様規定が、構造物の材料や工法、寸法を具体的に規定するのに対して、性能規定は、構造物に要求される「性能」を規定するものです。(性能規定化の効果イメージより引用)
つまり、仕様規定は「プロセスを規定する」ものであり、作り方とか製造工程とか、そんな感じ。
一方の性能規定は「性能さえ満足していれば丸」というもの。
ということであれば、先だっての実験を何度も繰り返してエビデンスがきちんと得られれば大臣認定ワンチャンいける。
もうすでに僕たちは学んでいる。
「それでは、やってみよう」
やってみる、という最強のソリューションを実施してしまえばいいだけのことなのだ。
どんな市場が拓かれる?
初めてオクドさんを訪ねた時にも衝撃だった。
モバイルミキサーを依頼して施工するゼロセメントコンクリートに1日で数十万もかかる。
しかも、材料代は別だ。
そん時僕は正直こう思った。
「これ、流行んねえな」と。
御免なさい。
その時は言わなかったけど、内心そう思ってました。
だって、どれほどエコだゼロセメントだ脱炭素だっつったって、所詮経済は合理性で動く。
一般人だけやない。
発注機関だって、結局最終最後は金。
安いか高いか。
SDGsバッヂをつけたおよそのおじさんたちは大体エコなんて嘯いてるだけで結局たくさん給料もらいたいから従ってるだけですからねえ。
でも、生コン車で製造された生コンクリートで大臣認定が取れたら話が別だろう。
経済合理性を程々満足させつつ、ゼロセメントが謳える生コン、さらには水と酸素を土壌に提供することができる構造を持つコンクリートだったとしたら。
それなりのパフォーマンスをきちんと発揮してコスパもLCCもよかったら。
買いだよね。
ってことは、もう、これ、大臣認定取りに行くしかないよね。
公共建築の外構舗装とか、大規模発注期間が発注するコンクリートとか、無限の可能性が開かれる。
ただでさえ調達しにくいモバイルミキサーを高いお金払ってお願いする必要ないってんだからね。
しかも、高いばっかりで役立たずな業者も福井方面にあると聞いている(久々登場)。
さて、早速これ、オクドの藤森さんと横国大の細田先生に共有した。
細田先生からは秒で「ぜひぜひやりましょう!」(原文まま)の回答があった。
そんじょそこらの素人ではない規格を作ってる側の先生からこのテンションで回答があったってのは筋がいいってことを立証してるのではないかと思っている。
また、これに必要な既計量には我らが陽光物産の西野社長(本名石井さん)がついている。
あらかじめ、ロットごとにドライミックスした材料を先日の要領でポンとホッパーの上に乗せるだけでドライ生コンが生コン車に投入される。
海水で練り混ぜれば完成。
オワコンの姉妹プロダクトgranZ concreteだってすぐに普及しちゃうね、これなら。
お姉さんのオワコンちゃんがすでに相当市場を開いているからついてくるだけだよ。
ゼロセメントっていう武器を引っ提げてね。
楽しい。
それでは本日3本目のブログはこれにて終了。
また明日!
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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