2023/11/21
【比較】「オコシコンとオワコン。どっちも透水性コンクリートだけどどこが違うの?」
庭コン・生コンポータルではこれまで20年にわたってポーラスコンクリート(透水性コンクリート)の事業に携わってきた。
先行プロダクト「パーミアコン」や当社でも取り扱いのある「オコシコン」。そして、現在バズ中の「オワコン」。
いずれもポーラスコンクリートだが、今回は詳細の違いについてきちんと比較していこう。
オコシコン or オワコン
こちら当社らで取り扱っている透水性コンクリートのオコシコン。
同じく、オワコン(造粒ポーラスコンクリート)の施工状況。
いずれも生コン車で現地に届けられ、施工者ら(DIYer含む)の手により舗装として完成する。
当社庭コン・生コンポータルでは、オコシコンからオワコンに軸足を移している。
市場と顧客の要請はもはや既往のポーラスコンクリートから、新しい構造を有するポーラスコンクリート(オワコン他)に移ろうとしているからだ。
これは当社として選んだ道ではなく、あくまで市場と顧客の冷徹な審判による結果だ。
当社としてはその審判に従い自らの姿を変えていくだけ。
以下に既往のポーラスコンクリート(オコシコン)と造粒ポーラスコンクリート(オワコン)の違いを解説したい。
見た目
ヒカリコンクリートにより製造・施工された「オコシコン」。
all roundらにより施工された「オワコン」。
写真で一目瞭然だがあえて解説を加えておくと、既往のポーラスコンクリートは「ゴツゴツ」と表現される一方、オワコンは幾分丸みを帯びていて「優しい」テクスチャが特徴。
あとは好みの問題となる。
好みはサプライヤーの手から離れ知覚する者の中にしか答えはない。
透水性能
こちらは既往のポーラスコンクリート オコシコン の透水状況。
オワコンが水を吸収している状態。
結論、「あんま変わらない」となるが、オワコンに関しては加えて「保水」という性能を特徴としている。
骨材(砕石や砂利)の周りをモルタル分が皮膜しているためその分水を吸収して保つ性能に秀でている。
既往のポーラスコンクリートの場合水はただ吸収され直下に流れ落ちるだけ。
一方、オワコンは動画でもわかるように水平方向にも水は広がっていく。
このことから既往のポーラスコンクリートも有していた洪水被害やヒートアイランド現象の抑制効果の改善が期待される。
施工性
写真の施工者はオコシコン、オワコンの施工経験豊富なキー君こと池田ブロックの城所さん。
オワコンが登場した時に彼は以下のようにおっしゃった。
「宮本さん、今度から全部これ(オワコン)にしてよ。オコシコンの10倍楽」
その理由は、「施工中に乾かない(ドライアウトしない)ため急ぐ必要がない」ということだった。
既往のポーラスコンクリートは骨材(砂利・砕石)の周りを1mmにも満たない薄いセメントペーストが皮膜しているだけ。
そのため、敷設してしばらく放置していると白く乾き始める。
完全に乾いてしまった状態ではもはや施工・仕上げはできない。
クレームで最も多いのがこの点だ。
引用:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14263697699
なんと、調べてみたらYahoo!知恵袋でも相談が寄せられてた。
これ、施工不良ですよ。
つまり、こうなっちゃう。
だから、急いで施工しなきゃならない。
オワコンは、オコシコンが「おこし状」とするならば「チョコボール状」と例えることができる。
このお菓子の例えは庭ファンが取り上げていて僕もなるほどと感嘆したものだ。
つまり、セメントペーストのような薄い皮膜ではなくオワコンの場合はモルタルペーストで皮膜されているため1時間やそこらじゃ乾かない。
だから、急ぐ必要がない。
よって、「宮本さん、今度から全部これ(オワコン)にしてよ。オコシコンの10倍楽」と施工者らをしてこのようにいわしめるのである。
DIY簡易性
材料 | 工事を依頼 | DIY | 透水性能 | DIY難易度 |
---|---|---|---|---|
砂利+防水シート |
10万円 | 4万円 | 〇 | ★ |
土間コン |
15万円 | 5万円 | × | ★★★★★ |
旧製品ドライテック |
22万円 | 15万円 | ◎ | ★★★★ |
オコシコン |
20万円 | 13万円 | ◎ | ★★★ |
オワコン |
12万円 | 6万円 | ◎ | ★★ |
※(オワコンの施工価格は執筆時の価格です。現在価格は下記ページよりお問い合わせください。)
知らなかったでは済まされないかも!
庭材料で【最安】とされる砂利敷と同等もしくは安価なオワコン
上記はテンプレだが、DIY難易度は★印で示されている。
施工性の部分で説明した通り、オワコンは非常に敷居が低い。
砂利舗装とタメはると個人的には思っている。
敷き広げて締め固める(撒いて踏む)だけで完了だからだ。
素人(動画は舞台俳優・菅野貴夫さん)でも駐車場のオワコンを1人で完成させることができるほどだ。
お値段
DIY簡易性の表のとおり、オワコンの材料価格は通常の生コンクリートに近い価格だ。
難易度も通常の土間コンクリートを施工するよりも簡易的な利点も兼ね備えている。
ただし、プロとDIYの施工では完成度にかなりの差が出るのも事実。
自身で施工に必要な道具、施工材料の知識などをしっかりと準備できる人にならおすすめできるが、手間や完成度を考えるならプロによる施工がおすすめだ。
下記オワコン・オコシコン施工業者マップより、直接近くの施工業者に施工を依頼できる。
以上がざっくりした比較だ。
いずれも当社らとしては取り扱いがあるためどちらに対してもそれなりの愛着がある。
そのため、どちらがいい悪いという主観はなるべく排した論述を心がけた。
ただ、リリースからもう少しで1年を経過するオワコンだがこれまでただの一つもクレームを消費者から頂戴したことがないのがオワコンの最大のメリットかもしれない。
消費・施工・製造フレンドリー。
当社らとしては市場と顧客が審判する以上、今後経営資源は優先的にこのプロダクト「オワコン」に投じる構えだ。
宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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