2023/03/21
「ジオポリマーコンクリートの破断面にフェノールフタレイン溶液を噴霧した」
ジオポリマーコンクリートのpH測定について。強度発現のためには必要な強アルカリ(水酸化カルシウム)も硬化が済んで自然消滅するのであれば植栽など緑に優しい性質を帯びる。今回はその実験と具体的な実装を見通した考察。
普通コンクリートとの対照実験
普通コンクリート(18-18-20N)の破断面。
MAPECUBE GEO(混和剤)を用いて製造されたジオポリマーコンクリートの破断面(結合材を高炉スラグ微粉末に等量置換)。
関連記事:「混和剤以外は全て残コン、高炉スラグ微粉末、スラッジ水(上澄水)など副産物で製造したジオポリマー 1週強度」
写真からは普通コンクリートとジオポリマーコンクリートそれぞれのは断面に特段に違いは見て取れません。。
中性化試験とは
破断面にフェノールフタレイン溶液を噴霧することで着色する箇所は強アルカリであることがわかる試験方法。
写真引用:コンクリートメディカルセンター
「あんまり変わりませんでした」で終わるかと思いきや、翌日二見メンバーから驚きの報告があったから今回は共有するぜ。
ジオポリマーは顕著に色が飛んでました
翌日の破断面(並びは前出と同じ)。ジオポリマー(下段)は顕著に色が飛んでいる(薄くなっている)ことがわかる。
多少なりとも含まれている水酸化カルシウム
サンプルとしてkr(LUMBER)に設置されているガビオン。一般に植物はpH5.5~6.0と弱酸性を好むとされている中で、植栽マスとして残コンなどコンクリートが適応できるかの検証。設置後1ヶ月程度経過しているが、樹勢に衰えは見られないどころかそれまでよりも逞しい枝振が見られる(宮垣建設)。
残コン造粒細粗骨材とスラッジ水、SCMsで製造
根系の保護を目的として適応される造粒ポーラスコンクリート(オワコン)ではなるべく小さいpHが理想とされる。
このところ連日連夜のパーリーで、本日も20名近いゲストをkrにお迎えして勉強会という名のどんちゃん騒ぎを予定しているためテンションがおかしくなって先ほど長文のblgを書き上げてしまった宮本さんですっ。だから、今回のblgはかなり手抜きをするつもりだったのですが、またしても気づいちゃったのです、ジオポリマーをベースとしたオワコンは真に緑(自然)と調和するコンクリートだってことを。「大地を削らない、汚さない、蓋しない、循環するコンクリート」だってことをっ。
コンクリートとして固まるためには最低限の塩基度(水酸化カルシウムが含まれている)が必要となるわけだけど、植栽など自然と調和するためにはなるべく中世域であることが求められるわけだよね。極端なpHは御法度だからさ。一方、そもそもの塩基度が低い(硬化に水酸化カルシウムが消費される)ジオポリマーがポーラス構造であれば、さらに大気中のCO2との接点が広がるわけだから非常に都合がいいよね?
例えば、ガビオンとか、舗装(オワコン)とかに適応されれば、鉄筋を必要としないから中性化問題ないし、植物にも優しいしって。いよいよコンクリートは大自然との完全同期(3rdインパクト)を迎えようとしているのかもしれないね。
さあ、今日はぐだぐだblgを書いてる暇がなく結構忙しいからこの辺でばいちゃとするねっ。
オワッコー
それにしても、今後の展望が楽しみですね。
作者・宮本充也
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
コンクリートをもっと身近に「生コンビニ」はこちら