2022/12/22
「オコシコン、オワコン、土間コン(生コンクリート)、アスファルト。それぞれの特徴を解説」
オコシコン、オワコン、土間コン、アスファルトetc...。いろんな舗装材があるけれど、一生に一度検討するかしないかってくらい超マニアックな材料について、生コンポータル主宰・宮本さんから丁寧に解説。
エクステリア・外構 各種舗装材 性能比較・解説
オコシコン
透水性コンクリート「オコシコン」はポーラスコンクリートの1に数えられる、お菓子の「オコシ」状構造を特徴とする土間コン。
ほぼざるのスピードで水を通すものの、降雨はコンクリート内部にとどまることなく直ちに流下し路盤以下に浸透する。ポーラスコンクリートの歴史は長く(我が国の草わけは佐藤渡辺社のパーミアコン)、その豊富な実績から駐車場や車道などでの普及が進んでいる。
オワコン
境内・参道の雑草・ぬかるみ・排水対策として採用された「オワコン」は透水・保水性コンクリートに数えられる。オコシコン同様透水性を有しているため植栽・樹木の根系に新鮮な水と酸素を届けるを妨げず、その保水性から夏場環境温度を低減することで植物にも人にも快適な環境を実現する。
オコシコンほど「ほぼざる」という透水性は望むべくもない(透水係数の基準はクリアしている)ものの、オコシコンにはない「保湿」「保水」がオワコンの特長。雨水貯留効果も期待できるため、水災害が深刻化する現代ソリューションとしてその性能が期待されている。
国土交通省では先般オワコンをはじめとする先端環境コンクリートの実証施工が行われた。今後、公共事業でも民間で実装を伸ばす透水・保水性コンクリート「オワコン」の採用が広がる見通し。
土間コン(コンクリート)
https://springbd.net/dustconcrete-procedure
2022年現在、エクステリア・外構駐車場の舗装としてまず最初に検討される材料が通常のコンクリートを使って施工される土間コン(写真)。なお、生コンポータルでは以下の理由から土間コンクリートをお勧めしていない。
【参考】土間コンクリートをお勧めしない理由
①水が抜けない
土間コンクリートは水が抜けない構造であるため、水勾配や排水設備などの設置が必須となる。
②色むらでトラブル
写真引用【Biz Gardening】:土間コンクリートの色むらについて
半製品(生コンクリート)の状態で現地に届き施工される土間コンは水分の蒸発散むらにより写真のような色むらが発生することがある。原因はこてむらや路盤の状態など多くの変数が考えられ現時点では解決策は見出されていない。
③冬場は施工が深夜にまで及ぶ
写真引用【株式会社メイク・プラスター】:土間コンクリート仕上げ、表面の変色、色ムラ・黒ずみ・紋々・斑点・まだら・シミについて教えて下さい
ブリーディング(余剰水)がひく(乾く)まで仕上げ工程(金鏝)に移れないため冬場は3〜4時間の手待ちが発生することで作業は深夜にまで及ぶこともあり、過重労働が問題となっている。
④こけ・カビ・タイヤマーク
同時に施工された土間コン(奥・生コン、手前・旧製品ドライテック)。土間コンは水が抜けないため汚れや水分が表面にとどまりやすいため、コケ・カビの繁殖にとって好環境。タイヤマークも目立ちやすく、汚れやすい。
※参考:【福岡】「なんで土間コンじゃダメなのか。雑草・ぬかるみ・水たまり・汚れはどうやって解消できるのか」all round
アスファルト
https://suzuwa-kogyo.com/cases/jirei4/
アスファルトだけ唯一セメントを由来としていない製品。我が国では主に車道など大規模な舗装に採用され、北海道など一部地域を除き外構・エクステリアに採用されるケースは稀。
なぜ、アスファルト舗装は、エクステリア・外構に採用されないのか?
材料としてのアスファルトは生コンクリートと異なり高温であることからも取り扱いが特殊。その担い手は主に道路会社であり、写真のような機械施工を標準としていることからも、規模の小さい外構・エクステリアでは割高になる傾向がある。
各種 比較・料金目安
オワコン | オコシコン | コンクリート (ベンチマーク) | |
---|---|---|---|
経済性 | ◎ DIYするとなお〇 |
〇 オワコンよりは高額 |
△ 人工や下地処理含 |
提供しやすさ | ◎ | △ | ◎ |
加工性 | ◎ | △ | ✕ |
施工直後 いずれにせよ直後は乗せない方がいい |
〇 歩行◎車△ |
△ | ✕ |
美しさ | 〇 | ◎ | ✕-◎ 不可抗力によるムラなど |
透水性 | ◎ | ◎ | ✕ |
お勧めの施工場所 | 簡易駐車場 犬走 |
駐車場 アプローチ |
駐車場 アプローチ |
材料 | 工事を依頼 | DIY | 透水性能 | DIY難易度 |
---|---|---|---|---|
砂利+防水シート |
10万円 | 4万円 | 〇 | ★ |
土間コン |
15万円 | 5万円 | × | ★★★★★ |
旧製品ドライテック |
22万円 | 15万円 | ◎ | ★★★★ |
オコシコン |
20万円 | 13万円 | ◎ | ★★★ |
オワコン |
9.7万円 税込(※) |
4万円 | ◎ | ★★ |
「オワコン・工事を依頼」以外は税別です。
※障害物撤去は含みません。
※掘削・残土処分・下地工など事前工は含みません。
単価 | 送料 | 置き配 | 最低 注文数量 | (参考) 市況価格 | |
---|---|---|---|---|---|
オワコン ※1 |
20円 /kg |
込 | 可 | 2000kg ※3 |
- |
旧製品ドライテック(透水コン) ※1 |
40円 /kg |
込 | 不可 | 2000kg | - |
オコシコン(透水コン) ※1 |
30円 /kg |
込 | 不可 | 2000kg | - |
砂利・砂・砕石 ※1 |
15円 /kg |
込 | 可 | 1000kg | 56円 /kg |
乾燥生コン・乾燥モルタル ※1 |
20円 /kg |
込 | 可 | 1000kg | 33円 /kg |
固まる砂・防草砂 (乾燥モルタル)※1 |
20円 /kg |
込 | 可 | 1000kg | 33円 /kg |
生コンクリート ※1 |
20円 /kg |
込 | 不可 | 1150kg | 33円 /kg |
バルチップ | 5000円 /1袋 |
別 | 可 ※2 |
1袋 | - |
置くだけ土間コン・ドットコン (1枚あたり0.81m2) |
5,000円 /枚 |
別 | 可 ※2 |
1枚 | - |
ヌルコンDIYキット 駐車場1台分 |
17,000円 /kg |
別 | 可 ※2 |
1セット | - |
ヌルコンDIYキット 駐車場3台分〜 |
52,000円 /kg |
別 | 可 ※2 |
1セット | - |
DIY向け資材を購入するメリット
・重い袋タイプを運ばなくても、資材が自宅までトラックで届きます。
・工業規格と同じ配合なので高品質です。
DIY向け資材購入の注意点
※1 注文ロットは500kg刻みとなります。
※2 配送業者へ別途ご指示ください。
※3 オワコン2000kgで約1.0m3です。
※ お支払いはpaypay、現金にて当日または事前決済となります。
※ 必要数量をお知らせください。お見積りします。
材料で購入(生コンビニDiy)した場合の料金目安。
各種舗装材比較のまとめ
いつも、オワコン最高、オコシコン次にいい、土間コン選ぶな、アスファルト論外、って感じのblgしか書いてないから、たまにはフェアな感じのもの書いてみたんだ。
でも、結論はやっぱり、オワコン最高、オコシコンが次、土間コンは時代遅れ、アスファルトは環境に悪影響だから滅びの方向に猛スピード、ってなっちゃうんだけど汗。
「コンクリートをもっと身近に」
というわけで、一般の方からすれば「一生に一度」検討するかしないかっていうコンクリートはなかなか馴染みのない存在だよね。
そんなコンクリート界隈で起きているイノベーション(オワコン、オコシコン)だから、なかなか採用されにくいんだ。
資源循環・環境フレンドリー・地産地消といったSDGsの皆さんが大好きな文脈をたっぷり実装しているのにね。。
だから、最優先は「知らない」を「知っている」に変えることさ。
さあ、オワコンちゃん、オワコーン。
もっと「伝える」を頑張ろうっ。
作者・宮本充也
【参考】 オワコン・オコシコン 購入方法
オワコン・オコシコン購入方法
① 無料紹介(庭コン)
施工経験豊富な最寄りの施工業者を無料でご紹介いたします。
② 交渉代理(相談フォーム)
施主に代わって施工店へオワコン・オコシコンについての交渉を代行いたします。
③ 簡易診断・相見積(あとだしじゃんけんワークス)
「その見積大丈夫?」入手した見積が相場観から比べて高いのか安いのか?専用フォームに添付して送信。プロから無料で簡易診断や相見積が得られます。
④ 施工立会
「初めての施工でも大丈夫」 生コンポータルの職員が無料で現地に立ち会って施工のコツを施工店に伝授。
⑤ 材料購入(生コンビニDiy)
とにかく安くしたいなら!注文フォームから全国一律・配送料込みでオワコン、オコシコンが届きます。
ご興味のある方は相談フォームからご相談ください!
オワコン工事一式原価例
(生コンビニ仕入れ配送料無料)
◆施工面積40m2
材料費 (配送料無料) | 80,000円 | 40m2 x 0.05m(50mm厚) = 2m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 70,000円 | 2名 x 35,000円(日当) |
諸経費 | 7,500円 | 5% x (80,000円(材料) + 70,000円(工事)) |
合 計 | 157,500円 |
※単価:165,000円/40m2
= 3,938円/m2
◆施工面積60m2
材料費 (配送料無料) | 120,000円 | 60m2 x 0.05m(50mm厚) = 3m3 x 40,000円(単価) |
---|---|---|
工事費 | 95,000円 | 2名 x 35,000円(日当) + 1名 x 25,000円(手許) |
諸経費 | 10,750円 | 5% x (120,000円(材料) + 95,000円(工事)) |
合 計 | 225,750円 |
※単価:225,750円/60m2
= 3,763円/m2
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